話の一滴(ひとしずく)

ヨーチャング研究所
YO-chang Kenkyu-syo


           今回のテーマは、「ブッポウソウ」です。



    <別枠>

    “話の一滴”の“ウラ”   テツガクのヒトシズクのウラバナし





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    <内容>

    ○“なげかけ”

    ○プロフィール
    ○ブッポウソウが集める「奇妙な物」
    ○まとめ

    ○“なげかけ”の「こたえ」

      ≪参考文献・資料≫


    ○テツガクのヒトシズク

     (主にテーマの<内容>から
      独自のテツガクを展開させてゆくコーナーです。)


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  ○“なげかけ”


   ---- ブッポウソウはなぜ、鳴き声を“とり違えられた”のか? ----





                                 つづきは、後ほど・・・



  ○プロフィール


    ブッポウソウは日本にだけ分布する鳥ではなく、ユーラシア大陸東端、お
   よび東南アジアの島々中心にインドから日本、南はオーストラリアにかけて
   広く分布している。

    日本、ロシア、朝鮮半島、中国といった北の地域では、夏に訪れて繁殖す
   る夏鳥だが、インドから東南アジアの島々では留鳥(⇔渡り鳥)として繁殖し、
   オーストラリアでは冬だけに訪れる冬鳥である。


    日本には5月始めに渡来し、北海道を除く本州、四国、九州で繁殖し、冬
   季は東南アジアの島々に渡って行く。

   日本では北海道以外ではどこでも見られるかというと、そうではなく、繁殖
   地はきわめて局所的である。

   古くから この鳥の繁殖地として知られているのは次のところである。

     長野県 御岳神社
     山梨県 身延山
     愛知県 鳳来寺山
     岐阜県 洲原神社


    ブッポウソウは神社やお寺の境内などで、夜に「仏法僧」と鳴く霊鳥であ
   ると、平安時代以降千年以上にわたって信じられてきた。

   そのため「ブッポウソウ」という名前で呼ばれてきたわけだが、1935(昭和
   10)年に声の主を撃ち落としてみると、ブッポウソウではなく、フクロウの
   仲間のコノハズクであったことが分った。

   それ故、いまでもブッポウソウのことを「姿のブッポウソウ」、コノハズク
   のことを「声のブッポウソウ」とも呼んでいる。

    またブッポウソウは高い煙突の周りによく飛んでくるとか、飛んでいると
   きは翼の白い模様が目立つので長野県大町では「紋付鳥」と呼ばれている。


    そしてこの鳥の本当の声は「ゲッ、ゲッゲッ」または「ゲゲゲゲッ」と聞
   こえ、美くしい姿とは似合わないカエルのような声だ などいろいろな興味あ
   る話しが伝わっている。




        ブッポウソウ(仏法僧) Roller


    種目: 鳥網 ブッポウソウ目 ブッポウソウ科

    全長: 25〜35cm

    頭部: 大きく平たい、黒色

     嘴: 太くて大きく開く。赤色で先が少しかぎ形
 (くちばし)

     尾: 種類によって円尾,凹尾,燕尾,長いものもある

    体色: 青、緑、褐色など

    飛翔: 巧みで、長めの翼でしなやかに羽ばたいて旋回、急降下

    捕食: 大型昆虫、セミ、甲虫類、爬虫類
        固いものはペソットとして吐きだす

     脚: 短く赤色

   鳴き声: 「ゲェーゲッゲッゲッ」「ゲゲゲッ」

    分布: 本州、四国、九州(北海道にはいない、夏鳥)

    居住: 低地から低山の林、とくにスギ・ヒノキの大木のある所

    活動: 早朝や夕方、目につく機会は少ない

    産卵: 5〜6月ごろ、15mほどの高木の空洞、樹洞、電柱の
        穴に木くずや木の皮の細片で簡単な巣を作り、純白の卵
        を3〜5個うむ。

    ひな: 7月上旬に孵化し、8月になれば親鳥と一緒に飛びまわる
        群生はしない


    備考: 先程触れたようにこの鳥は昔から三宝鳥とよんで霊鳥と
        され「仏法僧」と鳴くと思われたが、実際はブッポウソウ
        と鳴くのはコノハズクであることが確認された。 



  ○ブッポウソウが集める「奇妙な物」


    あるフィールド調査によると、ブッポウソウの巣から見つかった「奇妙な
   物」は次のような内容のものだった。


    種類                %        順位 


     貝殻    海産  アサリ   9.3
                 ハマグリ  0.4
                 不明    4.5

           淡水産  シジミ   30.9
                 タニシ   0.4

            陸産  カタツムリ 4.1 合計 49.6%  1 


     サワガニの爪          0.4

     アルミニウム片         30.9          2

        瀬戸物片          8.2           3

     プラスチック片          7.1           4

        ガラス片          0.7

          小石          2.7           5

    発泡スチロール片        0.4



    以上は1984年までの3年間にのべ18巣から見つかった296個のもの
   を分析・分類したものである。

   貝殻で最も多いのはシジミ・タニシで、次にアサリ・ハマグリ、カタツムリで
   ある。

   アルミニウム片の多くは缶ジュースの栓(プルリング)だった。



    ブッポウソウは、いったい何のためにこれらの「奇妙な物」を巣に運んだの
   だろうか。

   「奇妙な物」に共通する特徴は、表面に光沢があり、硬く、貝殻のカルシウム
   以外ほとんどの物に栄養価のない点だった。


    世界中でこのような例があるか調べたら次のようなものがあった。

    しかしいずれも何のために行なわれたかはいまだ解明されていない。


      ニワシドリ類   ニューギニア  小屋の装飾
                オーストラリア

      アリスイ     北ヨーロッパ  巣の中に同じようなものが
                          残されている

      ニシブッポウソウ ヨーロッパ  巣の中から小石が見つかる
                 西アジア



    日本に住む鳥の中で「奇妙な物」にあたるものがみつかっているのはいまの
   ところブッポウソウだけだが、さらに考察の結果 アルミ片についた傷と汚は雛、
   成鳥が砂のうの中で、「奇妙な物」どうしがこすり合わされてついたもので、
   体内にある砂のう(いわゆる「砂肝(ぎも)」のような部分)の中で餌をすりつぶす
  「碾(ひ)き臼(うす)」として使われたと考えられる。

    なぜブッポウソウが「碾き臼」を必要とするのか。

   鳥は歯を持っていないため、食べ物を噛み砕くことができず「砂のう」に砂を持
   っている。

   ブッポウソウの餌は甲虫類などの硬い外骨格を持つ大型昆虫で、親鳥はそれらを
   ほとんどそのまま雛に給餌するが、砂のうの砂でキチン質の硬い外骨格を砕き、
   中の肉を消化することはできない。

   甲虫をさらに細かく砕くにはもっと大きい物が必要で、かといって石ころでは重
   すぎる。

   そこで貝殻、瀬戸物片、さらに最近では缶ジュースの栓がちょうど軽く、使いや
   すいので、使用したのだと思われる。


    おそらく日本のブッポウソウは、もともとは貝殻や平たい石などを「碾き臼」
   として使っていたのだと思われるが、やがて、うっそうとした森が少なくなり、
   多くの地域で神社仏閣や橋などの人工建造物に住む場所が限られてしまったこと
   からブッポウソウは環境の変化に伴ない、缶ジュースのプルリング、瀬戸物片な
   どの危険な「碾き臼」も使うようになったと考えられる。

    これが原因で、雛たちがかなりの数死亡していることが分っている。


   森を追われ 神社仏閣など、人の住む環境に移り住まざるを得なくなった彼らに
   とって、そこは決して住みやすい所ではないと思われる。



  ○まとめ


    ブッポウソウは夜に「仏法僧」と鳴くと信じられてきて、その姿の美くしさか
   ら千年に渡って霊鳥とされ、多くの詩歌に詠まれてきた。

    また人里に住み日本人と長い間共存してきた。

    しかし昭和10(1935)年に間違いであることが明らかになり、「仏法僧」と
   鳴く鳥はコノハズクであることが日本鳥学会で正式に認められた。


    だが、この40年の間に餌となるカミキリムシなどの大型昆虫が農薬の散布に
   より減少したためか、各地で減少していて絶滅に瀕しているのが現状である。



  ○“なげかけ”の「こたえ」


    ---- ブッポウソウはなぜ、鳴き声を“とり違えられた”のか? ----



   1.経緯

      
      ブッポウソウは千年以上にわたって、夜に「ブッポウソウ」と鳴く鳥であ
     ると信じられてきた。

     しかしそれは間違いで、「ブッポウソウ」と鳴くのはコノハズクであること
     が分ったいきさつは次の通りである。



      第一の事実


       山梨県に住む中村さんという人が、昭和10(1935)年にNHKのラジオ
      放送で、愛知県鳳来山から仏法僧の鳴き声が流れたのを聞き、連夜にわた
      りブッポウソウを探しに出かけ、ついに山梨県神座山檜峰神社で「ブッポ
      ウソウ」と鳴く鳥を撃ち落すことに成功したのだが、その鳥を調べたら、
      ブッポウソウではなくフクロウの仲間のコノハズクだった。
     
       それが1935年6月12日のことだった。



      第二の事実


       NHKのラジオからブッポウソウの声が流されると、それにつられて
     「ブッ・ポー・ソー」と鳴きだした飼い鳥がいた。飼い主は西島さんという
      方で、その鳥を借り受けた鳥類学者黒田博士が自宅で飼い、1935年6月12
      日朝5時10分に、ついに「ブッポウソウ」と鳴いたのだ。

       奇しくも先の事実と同じ日だった。


   
       以上のことが日本鳥学会に報告され、それにより、夜に「ブッポウソウ」
      と鳴く鳥は「仏法僧」ではなく、コノハズクであることが正式に認められ、
      弘法大師以来間違い続けてきたことにようやく終止符が打たれた。


       いまから70年ほど前のことである。



   
   2.間違えられた理由


      姿、形、習性が違うブッポウソウとコノハズクがなぜ鳴き声と姿をとり違
     えられたか。

      その原因は2つある。


      1つは、夜に仏法僧の声が聞かれる同じ場所で、昼間にブッポウソウが飛
     び回っていたことによると思われる。

     いいかえれば、両者が同じ場所に生息していたためで、両者は神社仏閣の境
     内や自然のうっそうとした森など、よく似た環境に生息している。


      どうしてか、その理由は大きく2つあるようだ。

     ひとつは、ともに樹洞で営巣するためで、キツツキ、ムササビなどの掘った
     巣穴が必要で、自然の洞は大木にしかでないし、巣穴を掘る動物たちもその
     ような森に住んでいるからである。

     もうひとつの理由は餌の関係で、ブッポウソウはセミ、甲虫など大型飛翔性
     昆虫食で、コノハズクも、ガや甲虫といった森に住む昆虫類である点でかつ
     ての日本の森の環境にうまく適応していた鳥といえることである。



      2つ目は、両者の習性にある。

      ブッポウソウは、ほかの多くの鳥と異なりきれいな声でさえずることはせ
     ず、「ゲッ、ゲッ、ゲッ」または「ゲェー、ゲゲゲッ」と鳴くのみである。

     鳥の声は、地鳴きとさえずりに大きく分けられるが、ブッポウソウはさえず
     りを持たず、地鳴のみである。

      一方コノハズクはさえずりがよく聞かれるが、地鳴きはめったに出さない。

     そのために、昼間観察される姿の美くしいブッポウソウが夜になると「仏法
     僧」とさえずると考えられてしまったのだろう。


     さらに、その声が霊鳥としてあまりにも有名になってしまったため、同じ場
     所で昼間見られる姿の美しい鳥が、その声の主にふさわしいという思い入れ
     があったと思われる。





    ≪参考文献・資料≫




     日本大百科全書                小学館    1994.1

     甦れ、ブッポウソウ     中村浩志 著  山と渓谷社  2005.4

     図解 動物観察事典   岡村はた 他著 地人書館   1986.9

     野鳥(ポケット図鑑)    藤本和典 著  主婦の友社  1995.10

     日本の野鳥         品川恵保 著   日本音楽  2000.10
     歌声100選                   教育センター
                         
     なぜブッポウソウは     中村浩志、  日本鳥学会誌 1988
     巣に奇妙なものを運ぶのか 田畑孝宏 著

     巣の下の「奇妙な物」    中村浩志、   アニマ    1988
   -- ブッポウソウの知られざる  田畑孝宏 著
     行動を解く --









  ○テツガクのヒトシズク




    ブッポウソウと、コノハズク・・・


    みためからは、接点がないこの
    2匹の、鳥。


    活動の時間帯も、まるで
    正反対。




    だけど、コノハズクが

    「ブッ、ポウ、ソウ。」


    そう鳴いただけで、

    ブッポウソウは、「ブッポウソウ」と
    鳴くのだと認識されるようになり・・・





    ブッポウソウ、というと
    コノハズクのことも思われるように少なくとも、

    人間の間ではそうなっているのではないか。





    だけど・・・

    
    当然、ブッポウソウ本人は、

    まさか自分が「ブッポウソウ」とよばれているなんて
    思いもよらないんだろうから・・・





    しかも 活動の時間帯も、
    先ほどふれたように全く違うから、

    接点もないし、意識しようもない、
    
    そんなかんじなのではないか。






    このように、

    本人たちは、接点があるなんて
    思いも、よらない。


    だけど、別のみかたをすれば、
    接点が、ある。

    のだとしたら ----------------------------------









   結構それはみんな、そうなのでは
   ないか。


   みんな、どこかで、

   当人どうしは気がついていなくとも、
   別のみかたをすれば、つながりが
   ある。



   人間同士だって、
   全く“ひきあわない”だろうよ、と
   おもっていたのが実は、とても
   ウマがあったり、・・・




   同種同士とは限らない。


  「ブッポウソウ」「コノハズク」のように、
   全く違う種類のものが、接点をもつと
   いうことは -----------------------------




   
   もっといえば、

   人間と動物が“ひきあう”ことだって、
   ありうるんじゃないか。


   ペットが、その例だと思われるし・・・



   いや、「ペット」というと、なんか
   主従関係が連想されてしまうから、

   

    ここでいいたいのは、


   人間と動物、あるいは
   人間と植物、人間と自然、とか・・・



   それらが、種族とかを超えて

   それぞれが“1つの存在”として、

   その“1つの存在”同士が、


   対等な立場で接点をもっていると
   いえるのではないか。


   たとえ、 表面上ではみえなくとも。





   思えば、同じ地球上に存在する
   生物という点では、一緒で、

   その点で既に、接点をもっているのだと
   いえはしないか。




    そしてそこで・・・ 表面上に、あるきっかけで
    接点をもつようになるもの同士だけが、
 
    自分の周りにいるのにすぎない -----------------






    だから、今自分の周りにいたり存在している
   ものを通して、

   その陰に潜んでいる無数の存在に思いを馳せて、
   みるならば ・・・











    「global」という言葉は、何も、

    人間の世界に限ったことではなく、



    まさにそうした視点のことを指すのでは
    ないだろうか。





     
    
    

     
          
        

























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    “話の一滴”の“ウラ”   テツガクのヒトシズクのウラバナし





(C) 2007 YO-chang Kenkyu-syo.

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