話の一滴(ひとしずく)

ヨーチャング研究所
YO-chang Kenkyu-syo


          今回のテーマは、「カブトガニ」です。



    <別枠>

    “話の一滴”の“ウラ”   テツガクのヒトシズクのウラバナし





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    <内容>

    ○“なげかけ”

    ○カブトガニについて
    ○カブトガニの雑学的知識
    ○カブトガニ成体までの過程
    ○役立つ血液
    ○まとめ

    ○“なげかけ”の「こたえ」

      ≪参考文献・資料≫


    ○テツガクのヒトシズク

     (主にテーマの<内容>から
      独自のテツガクを展開させてゆくコーナーです。)


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  ○“なげかけ”


    ---- カブトガニはなぜ、“つがい”で生活するのか? ----





                                 つづきは、後ほど・・・



  ○カブトガニについて


    カブトガニ類は中生代ジュラ紀、すなわち4億年前からほとんど 形を変
   えずに今日まで至っていて、「生きた化石」といわれている。

    現在生きている種類としては、日本の「カブトガニ」のほかにミナミカブ
   トガニ(東南アジア)、マルオカブトガニ(東南アジア)、アメリカカブトガ
   ニ(北アメリカ南東岸)の4種で、いずれも形態はよく似ているが、中でも
   アメリカカブトガニは、形質的に古いまま現在に至っている。

    昭和3年(1928)、岡山県笠岡市生江浜のカブトガニが天然記念物に
   指定された。(現在、その近くの神島水道も追加指定。)

    絶滅危惧T類である。


    特徴としてまず脚は、歩脚が5対あり、そのうち最後の1対は、4枚のへ
   らのようなものがついていて、脚先が地面につくと、このへらが自動的に開
   くので、泥の中に沈まない。 この歩脚で泥を蹴ってすばやく前進する。

    泳ぐときは、尾剣でかじを取り、水面近くをあお向けになって泳ぐ。 
   成体はあまり泳がないのに対して、幼体はよく泳ぐが、魚のようにすばやく
   は泳げない。

    口は歩脚のあいだにあり、歩脚のはさみや、きょう角とよばれる小さな脚
   を使って、泥の中のゴカイなどを捕まえ、口に運んで食べる。 
   幼生は干潟の泥の中の有機物を食べ、成体はゴカイ、アサリなどの貝類、砂
   地に住むウニなどを食べる。

    また、卵は魚類、幼生はサギなどの鳥類やカニ類に捕食されるが、かたい
   甲殻にまもられた成体を襲う動物はいない。

    フンは、尾剣の付け根にある肛門から細長いのを出す。 長さは4〜5cmで、
   表面はゼリーのような膜に包まれていて、腸の内壁のシワ模様がついている。
 
   色は食べたものにより異なる。 
   赤いゴカイを食べるとピンク色、アサリを食べると白くなる。
   消化はされているが、強いにおいがする。

    尿は肛門でなく、前から4番目の、歩脚の付け根にある小さな穴から排出
   する。

  
    カブトガニは 成体になると、おすがいつもめすの後ろにしがみついた状態
   で行動する。 おすの前体には大きなくぼみがあり、めすの後体とかみあう
   ようになっている。

    めすの前体には、このようなくぼみはない。

   おすは前体の腹側に5対ある歩脚のうち、前2対の先端が、把持器(はじき)
   とよばれるカギ爪状になっていて、これでめすにしがみつく。

   また、めすの後体の両側にある、縁棘(えんきょく)とよばれるとげは6対の
   うち、後ろの3対は短かく、おすがしがみつきやすいようになっている。 
    

    
    カブトガニ(兜蟹:節足動物門 剣尾綱 剣尾目 カブトガニ科)

     体長:おす 約60〜70cm めす 約60〜80cm
     体重:おす 約1.5kg   メス 約3.0kg
     食物:二枚貝、ゴカイなど
     天敵:魚、鳥、カニ、人間
     分布:日本(瀬戸内海、九州北岸)、北アメリカ、台湾、東シナ海沿岸
    国内の
    生息数:推定約2000つがい



  ○カブトガニの雑学的知識


    1. 目の数: 5つ

   前体の側面にある1対の複眼で、まわりの様子を見ている。
   個眼とよばれる小さな目が約400個集まっていて、夜も敏感に光を感じと
   る。
    ほかにも体の前方に1対、腹側に1つ、光を感じとる目がある。


    2. 心臓の形

   ひものように長く、中央が太い「紡錘(ぼうすい)型」


    3. 尾剣の役目

   ・泳ぐ時のかじ取り
   ・泥の中にもぐるときの体の支え
   ・あおむけからひっくり返る際に使用
   ・外敵におそわれないようにふりまわす「武器」


    4. 系統的に近いのは、クモ

   三葉虫から進化したアグラスピスの仲間からカブトガニと、さそり・クモ
   の祖先が生まれた--------つまり、“祖先”が一緒である。

    ほかにも、あごの形や呼吸器官の構造、3つの節(前体・後体・尾剣)
   をもっているという「体節構造」が似ていることから、カニやエビよりは
   クモに近いといわれている。



    ◎その他、化石の発見場所は、ドイツのゾルンホーフェン地方、そして
     日本の佐賀県で、約3500万年前の地層から這い跡の化石が発見さ
     れたことや、水につからずに2週間以上生きられること・・・など。



  ○カブトガニ成体までの過程


    カブトガニは、自然環境の中では幼生が何回脱皮して、何年目に成体に
   なるか、詳しいことは分っていない。

  
    しかし飼育されたものの場合、幼生からおすは14〜15回、めすは
   15〜18回脱皮し、それぞれ11〜15年目に成体となることが観察
   されている。

    1.産卵: 6〜8月。大潮満潮時、水中で砂地に穴を掘り、一度に500
          〜1000粒ほどの白い卵を産む。

    2.胚発生前期: 胚発生が進み、内卵膜が膨れて卵殻が破れる。

    3.胚発生後期: 胚が4回脱皮して、形が著しく変化する。

    4.幼生:秋に孵化(ふか)した三葉虫型の幼生は砂の中で越冬、翌年の
         初夏に脱皮して尾剣をもった「第2齢幼生」となる。

    5.成体:幼生から成体までの間は、数10年かかる。(十数回脱皮)



  ○役立つ血液


    カブトガニの血液は、チフスやコレラの細菌に感染すると固まってし
   まうことが発見された。
    
    その後、細菌に含まれる内毒素(エンドトキシン)に反応する物質が、
   カブトガニの血球から抽出されて一躍注目を浴び、現代医学の分野で重要
   な働きをしている。

    カブトガニの血球内抽出物は、10億分の1g以下という極微量の内毒素
   に反応してゲル化、つまりゼリー状に固まる。
   この物質を利用して、内毒素の検出や定量を行なうのが、リムルステスト
   とよばれる試験法である。



  ○まとめ


    今から4億年もの歴史をもった、生きた化石と呼ばれるカブトガニ。

   我々人間はたかだか500万年の歴史ですから、いかに長く生きていたかが
   分ります。

    しかしこの種も絶滅に瀕しているとのことで、我々としては数が減っ
   てしまったのは悲しいことですが、まだ生存しているということに希望
   をもち、これら生きたものをいかに後世に伝えていくかを考え、実行し
   ていくことが重要だと思います。

    つまり 地球の環境をいかに保護していくかということが問われている、
   と考えます。

    幸いにしてカブトガニ博物館では さまざまな保護活動が行なわれてい
   るようですので、その成果をおおいに期待したいと思いますし、
   最近、産卵地の1つで産卵の「つがい」が増加しているということは、
   唯一の「希望」であります。





    (補足)

    現在 西日本でカブトガニの生息が確認されているのは、曽根干潟をは
   じめとする瀬戸内海の一部や佐賀県の伊万里湾などですが、産卵地として
   知られる北九州市小倉南区の曽根干潟で、産卵に来るつがいが大幅に増え
   ていることが分りました。

   今年6月だけでも 去年の延べ41組の、約7倍以上の300組が確認されていま
   す。

    曽根干潟では 毎年約100組が産卵する程度でしたが、2001年から急増し、
   昨年 初めて1000組を超える1363組が確認され、今年はさらにそれを上回
   る勢いだといいます。

    その原因としては、内海化が進んで海が穏やかになり、カブトガニが成
   育しやすい環境になったのと、今年の少雨で6月の海水温度が30度前後と、
   産卵ピークの7月並みだったことにもよると見られています。

                          (2005年 東京新聞)





  ○“なげかけ”の「こたえ」


    ---- カブトガニはなぜ、“つがい”で生活するのか? ----


   カブトガニの雌雄(しゆう)がつがって行動していたことは、数億年も前
  の這い跡の化石からも知られています。

   また 博物館で飼育しているカブトガニの観察によれば、あるつがいは3
  年間もくっついたままでいた、という記録があるそうです。

   産卵の時期でもないのにつがって行動することの利点は次のように推測
  されますが、ほんとうかどうかはよく分りません。

   
    1:相手を見つけたときにつがっておけば、産卵時に相手をさがす
      手間がはぶけ、確実に産卵できる。

    2:めすの数が少なく、おすが多い場合、おすはめすを見つけたと
      きにつがっておけば、他のにめすをうばわれずにすむことがで
      きる。


   ここで疑問として、おすは、はたしてめすを見分ける能力があるのかと
  いうことですが、飼育の報告や実験などの結果、おすは本能的にくっつき、
  それが以前のめすかどうかの判断能力はもたないことが分っているようで
  す。

   またおすには、めすとそれ以外のとの区別はできても、めす個体の見分
  けはできないし、もとのめすとつがう必要もないと判断でき、もしペアが
  離れてしまった場合、もとのペアにもどるのは偶然でしかないと推測され
  ているようです。





    ≪参考文献・資料≫


    カブトガニの生物学  関口晃一 編  サイエンスハウス 1984
  
    カブトガニの      笠岡市      カブトガニ     1980〜
    研究報告書      教育委員会 編  保護センター    83

    カブトガニからの
    メッセージ       惣路紀通 著   文研出版      1998

    カブトガニ       惣路紀通 著   山陽新聞社     1993

    カブトガニの不思議 関口晃一 著   岩波書店      1991
     (岩波新書 192)                      










  ○テツガクのヒトシズク



    カブトガニは何故、“つがって”
    いるのか?





   単体じゃ、“生きていけない”ことを、
   知っているからじゃ、ないかなぁ ・・・


   体の構造からして、つがえるように、

   つがって行動することを前提に
   したつくりに、なってるんでしょ?



   それはまぁ、子孫をつくるのに
   都合がいいからっていうのが、
   一番の理由、なんだろうけれど・・・

   そうじゃなくたって ----------------------------


   単体では、存在できないし、
   現に、存在していないんじゃ、ないか?


   単体、では。



   人間だって、そう、私だって、

   たしかに、「単体」だ。


   それに、トイレいくときや食事するときにさえ、
   だれかが、カブトガニのようにつねにおおいかぶさって
   いたり、したら・・・


   うっとおしくて、しょうがない。



   でもそれは、ふだんが「単体」だから
   こそ感じることなのかも。

 
  
   でも 本質は、この世は、たとえそれぞれ
   の存在が「単体」だとしても、

   みえないところで、誰かしらが、
   「おおいかぶさって」   
   いるんだと、おもえる。
  
   し、そうでなければ、
   生きられないんだろう。

   
    ただ、みえなくて、気づいて
   ないだけなのかも、知れない。

    そのことに。

   
   何も、カブトガニのように、
   現実に、その「物体」どうしが、
   つがって、かさなっていなくとも。

    こころの中に、誰かしら
   私たちは、「おおいかぶらせて」、

   そして こころの中で 誰かしらが、
  「おおいかぶさって」、生きている。


   そのことを、カブトガニは
  「身をもって」、教えてくれて、示して
   くれているのかも知れない。



   それは確かに、動きが制限されて
   キュウクツなことなのかも知れない
   けれど。

   それだからこそ、感じられる「安心感」
   みたいな、やすらかなきもちが

   それだけ大きく、感じられるのかも …


   ほら、あの、
 
   小さいころ、お母さんの
   背中に おぶさっていたとき
   感じていたような、あの ・・・


   きもち。


   お母さんの方だって、子どもがおぶさっているのを
   うとましくおもうどころか、その存在を感じる
   たびに、何か、エネルギーというか、パワーが
   みなぎってくる、

   そんなかんじにさせてもらえるのではないか。



   わすれかけているけれど、
   でも「体得」はしているその、
   きもちを。

   今ここで、おもいおこさせてくれた、
   カブトガニ。




    でもとかく「単体」で
   行動する我々人間なんかは、

   忙しさにかまけてついその、

   「おぶさっている」

   
   誰にも、どんな人にも おぶさっている
   ものの存在を、忘れて、

   辛い方向に自分をおいこんだり、

   そっちの方にばかり目がいって
  「おいこまれて」しまいがちなのだけど。


   そんなときは・・・


   ふだんは忘れがちなその、

   「おぶさっている」
   存在におもいをはせてみるのも -------------------





    なんか
   「おぶさっている」っていうと、
   相手に負担を与えている、

   というマイナスなイメージが
   つきまとうけど、

   やっぱ我々は「人」なんで。



   その字が示(あらわ)すとおりの、
   「ありかた」が、

   つまりは、カブトガニの姿が、

   人間の、 ひいては地球の、 宇宙全体の
   あり方にも、きっと、つながっている ------------------------





   そのことを、忘れないようにすれば、
   何かが、かわってくるのかも、知れない
   な。














































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    “話の一滴”の“ウラ”   テツガクのヒトシズクのウラバナし





(C) 2007 YO-chang Kenkyu-syo.

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