話の一滴(ひとしずく)

ヨーチャング研究所
YO-chang Kenkyu-syo


         今回のテーマは、「ヤンバルクイナ」です。




    <別枠>

    “話の一滴”の“ウラ”   テツガクのヒトシズクのウラバナし





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    <内容>

    ○“なげかけ”

    ○ヤンバルクイナについて/名前の由来
    ○ヤンバルクイナの特徴
    ○発見から現在まで
    ○分布域と個体数の減少,交通事故死について
    ○ヤンバルクイナ減少の原因/糞尿の効用
    ○まとめ         

    ○“なげかけ”の「こたえ」

      ≪参考文献・資料≫


    ○テツガクのヒトシズク

     (主にテーマの<内容>から
      独自のテツガクを展開させてゆくコーナーです。)


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  ○“なげかけ”


     ---- ヤンバルクイナはなぜ、大空を棄てたのか? ----





                                 つづきは、後ほど・・・



  ○ヤンバルクイナについて/名前の由来


    ヤンバルクイナは昭和56年(1981)、沖縄北部の山原(やんばる)の原
   生林の中で、山階(やましな)鳥類研究所によって発見された新種の鳥で、
   昭和57年(1982)、国の天然記念物に指定されています。

    ヤンバルクイナは空には飛べず、地上の生活に適応していますが、この
   ところ、年々その数が減少していて、絶滅危惧種に指定されています。

    
    ヤンバルクイナ(山原水鶏:ツル目クイナ科)

   全長:約30〜35cm

   体重:約340〜430g

   背高:約22cm

   体色:嘴(くちばし),足,目は赤、羽根は茶色

   食物:昆虫、カタツムリ、カニ、トカゲ、イモリなど

  生息数:2003年現在、推定1220羽

       国の天然記念物、絶滅危惧TB類 


     名前の由来

    やんばる(山原)という地名は沖縄島北部を指す言葉で、ヤンバルクイ
   ナはこの、やんばる地方に棲んでいるクイナ、という意味です。

   新種発見に至った調査チームの間では、「ヤンバルクイナ」か、「ヤンバ
   ルフミル」という話し合いがされていたようです。

   また、山階鳥類研究所内部では、「オキナワクイナ」というものも候補に
   上っていましたが、結局、鳥の保護には地元の理解と協力が不可欠なので、
   その「やんばる」を名前に入れるのがよいという判断から、命名したよう
   です。

   「ヤンバル」という言葉は、以前から植物の名前には用いられていました
   が、全国的に広く知られるようになったのは、「ヤンバルクイナ」の命名
   以来とのことです。



  ○ヤンバルクイナの特徴


    1.短くて丸い翼:ヤンバルクイナは、体重に比べて翼の面積が小さ
               く、翼を動かす筋肉も発達していないため、ほと
               んど飛ぶことができない。 

    2.大きな声で鳴く:おくびょうで、姿をめったに見せないヤンバル
                クイナだが、朝や、特に夕方、大きな声で鳴き
                合いをする。

                声の大きさは、風のない静かな日なら、500m
                くらい離れていても聞えるらしい。

                鳴き声はキョキョキョ・・・ と約8秒間ほど
                鳴いて、それはウグイスの「ホーホケキョ」の
                「キョ」の部分の繰り返しに似ているとのこと。
                 また同時に声を張りあげ合うのではなく、と
                なりのクイナが鳴き終わってから、順々に鳴い
                ていくらしい。

                ほとんどをつがいで行動するヤンバルクイナ
                は、ペアでデュエットをすることが多く、この
                ときは、約20〜30秒と、かなり長い間鳴き
                続ける。

                茂みの中に潜んで暮らすヤンバルクイナにと
                って、鳴き声は、情報伝達の重要な手段のよう
                だ。

    3.巣は地面に作る:シイなどの森林や草地の地面に、枯葉を集めた
                 簡単な巣を作る。

    4.卵は4〜5個産む:5月頃に、白地に茶の斑点模様の入った卵を
                 産む。 大きさは長径約4.9cm、短径約3.7cm
                 くらいである。

    5.体の特徴的な模様と色:胸から腹にかけては白と黒のしま模様
                      で、くちばし、目、足は真っ赤である。

    6.太くて大きいくちばし:土の中の小動物をほじくり返して食べ、
                    カタツムリなどの硬い殻も割って食べ
                    る。

    7.太くて丈夫な足:ヤンバルクイナは、胸の筋肉より足の筋肉の
                 方が発達していて、この丈夫な足で茂みの中
                 を、縦横無尽に走り回っている。

    8.木の上で寝る: 夜になると、太い樹木の上で頭を背中に隠し、
                片足立ちで眠るといわれる。

                これは鳥類の基本的な寝姿で、木の上なのは、
                無防備な寝姿を襲われることがないようにとの
                ことと思われる。

                また、外敵が近づきにくいのと、近づいてもす
                ぐ、発見できるとの配慮からと考えられる。

    9.真っ黒なヒナ:卵からかえったヒナは真っ黒で、すぐに巣を出
               て歩きだす。

               ヒナも太くて丈夫な足をしている。

    10.やんばるの森にだけ生息:沖縄島北部の国頭村(くにがみそん)、
                        大宜味村(おおぎみそん)、東村(ひ
                        がしそん)を合せた「やんばる」と
                        呼ばれる地域に、ヤンバルクイナが
                        「固有種」として生息していて、
                        やんばるの森がうしなわれれば、地
                        上から姿を消してしまう。

    11.小さくなった竜骨突起:空を飛ぶために鳥類は胸筋が発達して
                     いて、この胸筋を支えている骨が「竜
                     骨突起」である。

                     ヤンバルクイナと近縁で、空を飛べる
                     ナンヨウクイナと比べると、ヤンバル
                     クイナの方が体が大きいのに竜骨突起
                     は小さいので、胸筋が発達していない
                     ことを示している。

                     一方足の骨は立派で、骨格からみても、
                     地上の生活に適応していることが分る。



  ○発見から現在まで


    昭和50年(1975)  山階鳥類研究所研究者が「飛べない鳥」の噂
                聞く。

    昭和53年(1978)  山階鳥類研究所研究者が種類不明クイナ目撃                    
           

    昭和56年(1981)  山階鳥類研究所研究者によって捕獲され、新
                種と発表

    昭和57年(1982)  国の天然記念物に指定


    昭和58年(1983)  環境庁が分布域と生息状況調査


    昭和59年(1984)  巣を発見


    昭和61年(1986)  環境庁、生息数調査


    平成 3年(1991)  レッドデータブック絶滅危惧種にランク


    平成 5年(1993)  国内稀少野生動植物に指定


    平成12年(2000)  沖縄県がマングースの駆除開始


    平成14年(2002)  環境庁、マングースの駆除開始


    平成15年(2003)  山階鳥類研究所により、生息範囲の縮小
                 を確認



    ○分布域と個体数の減少,交通事故死について


    生息分布域:2000年には約25%減少

            2003年には約40%減少

           (いずれも1985年に比べて)


      個体数:1985年−約1800羽

           2000年−約1220羽

            15年間で32%減少

                (山階鳥類研究所データ)


     死亡件数:35件
           内交通事故 24件(約70%)

                (野生生物 保護センターデータ)



    ○ヤンバルクイナ減少の原因/糞尿の効用


    減少の原因

   ヤンバルクイナの生存を脅かすものは、マングース、ノネコなどの移入種
   とハブ、ハシブトカラスからの捕食、森林伐採、道路開発にともなう交通
   事故、側溝への落下などで、このままだと、あと10年で絶滅するとの警告
   が出ています。


    糞尿の効用

   ヤンバルクイナは他の鳥類と同じように、白い尿酸のまじった少し軟らか
   いフンをします。

    多くの鳥は、体を軽くするため、飛び立つ前によく樹上でフンをします
   が、そのヤンバルクイナは、ねぐらにしている枝の上ではあまりしないよ
   うです。

    それは、フンのにおいが残ることで、天敵のノネコやマングースなどに
   狙われる危険をさけるためのようです。



    ○まとめ



    我々が住むこの地球上には、知られているだけでもおよそ、170万種の
   生物が存在し、未発見のものを含めると、その10倍にもなると推測されて
   います。

    これら生物、即ち、哺乳類、鳥類、昆虫などの動物と植物とは、食物
   連鎖や光合成を通じて相互に密接な関係を有しており、長年に渡り微妙
   なバランスが保たれてきました。

   そのような多様性のある生物は、我々人類の生活にもかかせないものばか
   りで、文化、芸術を育み、生活に潤いを与えてくれるものであります。

    近年、特に20世紀後半になって、おもに人為的原因により動植物の生息
   環境に大きな変化を生じたことで、現在年間約4万種の生物が絶滅している
   といわれていて、そのスピードはさらに加速されつつあります。

    鳥類で見ると、日本産のトキは絶滅してしまいましたが、幸いにも中国
   産による人工増殖が成功し、復帰に向けて努力されています。

   同様にヤンバルクイナも、同じ運命を辿るのは明白であり、この鳥の保護
   方策の重要性がさけばれている、今日この頃であります。







  ○“なげかけ”の「こたえ」


       ---- ヤンバルクイナはなぜ、大空を棄てたのか? ----



    鳥の最大の特徴は、翼で大空を飛ぶことであるが、これを放棄した鳥が
   います。 

    例えばダチョウやキーウィーなどですがヤンバルクイナも、そうです。


    ではなぜ、ヤンバルクイナが大空を飛ぶことを「棄てた」のかを推測す
   ると、空を飛ぶことは人間が考えるほど快適ではなく、相当なエネルギー
   がいるし、落下すると命を落とす危険もある。

   もし地上で十分安全な暮らしができれば、あえて空を飛ぶ必要はない。

    ヤンバルクイナは水辺に適応し、地上を走るのに向いた体格で、特に天
   敵もいなかったことから、あえて飛ばないことを、選んだのではないか――


   そう、推察できます。





    ≪参考文献・資料≫


     日本野鳥紀行    蒲谷鶴彦 著   小学館      1998

     沖縄亜熱帯図鑑   湊和雄 著    アスキー出版  1997

     沖縄やんばる
     亜熱帯の森     平良克之 著   高文研       1997

     山原の
     自然亜熱帯の森   湊和雄 著    平凡社      1994

     やんばるの森輝く  日本野鳥の会
     沖縄のいきものたち やんばる支部編  東洋館出版  1994










  ○テツガクのヒトシズク



   ヤンバルクイナは、“かけ”が

   嫌い、なのかなあ。


   安全だと思われる、地上での
   生活を選んだのは。


   “安定”を、望む、っていうか ・・・



   しかも、鳥の、空を飛ぶ、という
   性質に“さからって”、まで -----------------------


    こわいのか?




   たしかに、こわいんだろう。

   命を落とすようで -----------------------------------


   空を飛ぶということは、
   ソーカイなぶん、
   命を落とすリスクを伴うんだろう。


   でも … 

   そのリスクがあるからこそ、
   それを感じていればいるほど、

   生きることが、より輝いて
   みえるんだろうし、

   空を飛ぶことのソーカイさだって
   より、感じられて、

   空を飛ぶことができることへの、

   そういう気持ちを、感じさせて
   いただけることへの
   カンシャの、念も。


   鳥じゃなければわきあがって
   こないであろう様々なおもい、
   経験を拒んでまでも。


    ん?


   鳥だからこそ、わきあがって
   くる様々なおもいやケーケンが、
   できるのに・・・

   空を飛べる、鳥だからこそ。



   それを拒んでまで、飛ばない。




    やっぱ、こわいとおもえるものに
   しりごみしちゃうのは、鳥も人間も
   同じ、なのかなぁ。


    安定を、望んでしまうのは。



    こわいおもいをする分、“グレード
   アップ”できるとわかっていても、

   それでも、

   こわいのは、やなんだよ、なあ。


   “こわい”のは。




   どう、のりこえていく ----------------------?




    でもさ。

    のがれられないんだよ。
    きっと。


   “こわい”ことからは。



    飛ぶことを拒んで
    地上で暮らしたって、
    ひょっとしたら、
 
    飛んでいるよりももっと、
    こわいことが、おこるのかも
    知れないし。


   現に、ヤンバルクイナの
   数だって、減少しているらしいし…




    のがれられない。


   そのことを、キモに銘じつつ ---------------------



   たちむかえ!

   とは、いわない。

   
   ムリを、してまでもとは。


   でも。

   のがれられない。



   そのことがキザみこまれていれば、

   いまはそれに
   たちむかえなくても、

   しりごみしちゃっても、    

   いつか、
   それ ----こわいこと---- に
   対峙しなければならない時が
   きた時、 

   その時には
   きっと、たちむかえる ---------------------


   そう、信じていくしか、
   ないのだろうか。


    そしてまさに、
   今が、ヤンバルクイナにとっての
   “そのとき”、なのかも ----------------------




    そのあとにはきっと、
   結果、どのようなものに
   なろうとも、

   何かを、得ることが、できるんだろう…


   飛ぶことをやめて、
   地上へと“逃げこんだ”
   間には得られなかった、ヤンバルクイナにとっての
  “何か”、を ----------------------------------


    だから、今こそ ---------------------------------!









   ところで、生まれもった
   性質にさからうことは、 どうなんだろう?


   “逃げ”でなければ、
   いいんじゃないかな・・・ それこそ、

   逃げられない、というのを
   わかっていれば。


   あくまで一つの、選択としてそういうのも、
   ありなんじゃ、ないの。


   そう、
   かえって、性質にさからって
   生きることの方が、つらいからさ。





   そう考えてみると、

   ヤンバルクイナは、“逃げ”というよりは、
   自らを“高める”為に、

   あえて、地上での生活を
   選んだの、だろうか・・・?



   だとすると、

   絶滅のキロに
   たたされているこの状況も、
   まさにその、

   “ソーテーのハンイナイ”、-----------------------------



   だったり、するのかも。












































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    “話の一滴”の“ウラ”   テツガクのヒトシズクのウラバナし





(C) 2007 YO-chang Kenkyu-syo.

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