“話の一滴(ひとしずく)”の“ウラ”
●今回は、「オオカミ」に関する“伝説”と“ニホンオオカミ”に
ついての「お話」です。
・オオカミに関する伝説(日本・世界)
日本
オオカミを神の使者とする神社は各地にあり、山の神を祭る神社の
特徴で、古くは神そのものがオオカミの姿であると考えられていた
ようである。
(例)武蔵・御獄神社 青梅市
三峯神社 秩父郡
その他 神奈川、山梨、長野、愛知の諸県に有。
オオカミは一般に母性とかかわりの深い獣とされ、情欲が淡く、交
尾をしているところを見られるのを嫌うといわれる。
(例)赤子の夜泣を止める:神奈川県の山村、オオカミ頭蓋骨の祀
(まつ)り
お産の人をオオカミがねらう:高知県安芸村、「産の杉」の
皮を煎じてのむと安産
オオカミの連れてきた赤子の子孫:静岡県岡部町
山形県鶴岡市 朝比奈家
アイヌ族もオオカミを山の神としている。
世界
シベリヤチュルク族やモンゴル族には、オオカミを父とする人が始
祖であるという起源伝説がある。
人狼(じんろう)伝説:ヨーロッパでは古代から良く知られている
穀物霊:フランス、ドイツ、スラブ諸国では、最初
に刈った穀物の束でオオカミの形をつくる
風習もあった。
豊穣を祝う行事:冬至祭にオオカミの毛皮をつけた男が登場
したり、オオカミの剥製を担ぎ回ったりする行事がある。
・日本狼の絶滅
明治38年(1905年)1月奈良県吉野郡小川村鷲家口において、
米人 マルコム・アンダーソンが入手した死体が、最後の日本狼
とされている。
この狼は若い雄で、その頭骨と毛皮は現在も大英博物館に保存さ
れている。
日本狼の絶滅の原因は次のように考えられている。
1.狼に対する一般民衆の観念の変化で、神格の喪失である。
海外からの狂犬病の侵入・流行のため、人をもおそう危険
きわまりない猛獣と化したため。
2.凶暴で危険な猛獣が、当時発達著るしかった銃器の対象
となった。
3.銃の威力は当然狼の食物、鹿などの狩猟に向けられ、狼の
食物を奪うことになった。
4.文化の浸透、開発の進行により、山林が切り開かれ、狼は
その安住の生息地を喪失することになり、同時に獲物の
減少にもつながった。
5.最後に、家犬との接触により、烈しい伝染力をもつ疫病が
侵入し、それは狼の美点とされる集団生活の習性が大きな
禍因となり、疫病がたちまち集団のなかに広がったこと
による。つまり狼は親密な群れ生活のために滅びたと考
えられている。
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