“話の一滴(ひとしずく)”の“ウラ”

ヨーチャング研究所
YO-chang Kenkyu-syo
今回は、「ツル」についての“三本立て”です。


  ・ツルはなぜ一本足で眠るのか


    ツルやコウノトリは片足で立ち、首を背に埋めて眠る。

   背中に首を埋めると、羽毛の中に皮膚の裸出部を埋めこむわけで、全身毛
   の固りと化してしまうから、寒さよけには都合がよいようである。

   そして浅い水中、泥沼、氷の上 などでうずくまるわけにいかない場合に
   は、片足で立つようになるが、これも二本足で立つよりも一本ですむなら
   ば、不要の一本を羽毛の中にしまいこんでしまう方が体温の無駄な発散を
   防ぐことができる。

   このとき、身体を支えている足のつけねに一種の熱交換装置があって、足
   先から冷やされて帰った静脈血をうばい、温められた状態で体内にもどって
   行く。

   熱を放出した静脈血は つめたくなって足の先へ向うので、たとえば、氷に
   足がはりついてこれを猟師が鎌で刈り取って掴まえてしまう などということ
   が無い。


    感心するのは、ツルが片足で立ち、首を背に埋めて熟睡しても倒れること
    はおろか、まったく、よろめきもしないすばらしい平衡感覚であり、我々人間
    では、目をつぶって片足立ちをすれば数十秒ともたないことが普通である。




  ・タンチョウヅルとコウノトリ


    タンチョウヅルとコウノトリは一見形は似ているが、主として区別する
   点は次の点である。


    主な比較点    タンチョウヅル     コウノトリ


     頭骨     前口蓋(がい)骨は左右  前口蓋骨は左右が一緒
             離れる

     頭頂      赤色で裸出        全体に白色

     盲腸      発達(雑食性)      退化(肉食性)
   
  発音筋(鳴き声) あり, 鳴管が発達して  なし, くちばしをたたき合せて
            いて大声でクルルーと鳴  カタカタと大きな音を立てる
            く                
    脚のうろこ  ヘビの腹部のうろこに    六角形
             似ている

     営巣    地上に枯れ木などで簡単  大木の頂部(マツなど)や
            な巣を作る           高所に枯れ枝で作る

     餌      植物の根や芽、昆虫、   両棲類(ヘビなど)、ネズミ、
            小動物、小魚など       魚など


     分布     日本では留鳥(とめどり、  日本での繁殖はない
            ⇔渡り鳥)で、北海道
            の湿原で見られる      冬 大陸から渡って来て、
                             西日本、長野県などで少数
            大陸からまれに渡って   見られる
            来た記録はある
       



  ・はるか昔から日本人はツルが好き


    折紙: 折紙といえばツル。江戸時代、魯縞庵 義道(ろこうあん ぎど
         う)という僧侶が、1枚の紙から数羽のツルをつなげて折る方法
         を考案した。そのうち49作品が「千羽鶴折形」という本に紹介
         され現代に伝わった。

    舞踊: アイヌたちはタンチョウをサロルン・カムイ(湿原の神)と呼び、
         大切にしてきて、古式舞踊のサロルン・ソムセ(鶴の舞)として残
         して来た。

    家紋: ツルは家紋にも使われている。盛岡藩南部家の向鶴紋(むかい
         つるもん)は有名で、南部家は将軍家にツルを献上していた。

    清酒: 鶴と名のつく日本酒は 北海道から九州まで各地に数多くある。
         長寿・夫婦円満を象徴するツルは、祝い事に欠かせない酒によく
         似合う。

    紙幣: 千円札には夫婦で鳴き合うタンチョウが描かれている。
         翼を高くあげた左がオス。 これは林田恒夫氏の写真をもとに
         構成されている。

    民話: ツルの恩返しとの「鶴女房」の話は、佐渡をはじめ全国各地で
         昔から語り継がれている。

   浮世絵: 広重「名所江戸八景」の蓑輪(みのわ)金杉・三河しまとして描
         かれ、江戸後期までタンチョウは江戸でも見られたことがわかる。

    水引: 古来、大切な贈り物を包むひもとして使われた水引。
         鶴や亀などの立体水引細工は、縁起物として結納用に使われて
         いる。

   歌留多: ツルは カルタの札にも登場する。江戸中期の「鳥合わせカルタ」、
         昭和初期「萬葉百首絵かるた」などに入っている。

    社章: 昭和34(1959)年から、日本航空機の垂直尾翼に掲げられてき
         たツルのマークは、空の旅の象徴として多くの人に愛されてきた。

     器: 江戸中期に製作された、柿右衛門様式の色絵、双鶴文輪花皿
        (そうかくもんりんかざら)には 2羽の鶴が描かれていて、ヨーロッパ
         への輸出品として作られた。

    菓子: ツルは祝い事の引菓子にもよく使われる。鶴屋八幡の御祝菓子
         などにタンチョウをかたどったものが用いられている。 

(C) 2007 YO-chang Kenkyu-syo.

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